chek it!ImpressionRankingPresentNews
Live CameraFiled InfoAngler'sReport ShopInfoBBSRead or DieMail Service
Homecheck it!>club30
 Check it!

【Club30's(クラブサーティーズ)】は、肌が水を弾かなくなってしまったことを認識しつつ、「オッサン」と呼ばれることを良しとしない30代の面々で構成された、体力や家庭の事情を考慮しながらも、頭の片隅にある釣りへの衝動を抑えることができない困った大人達の集まりである。


◆◆◆ 第5
回 LIFE is......fishing ◆◆◆

 その昔、私は彼を“釣れない君”と呼んでいた。 それから10年近く経過した今、「釣れない君は卒業した」と言うならまだ理解しようと努める気にもなれるが、「もともと釣れない君ではなく釣れる君だったのだ」と言わんばかりの態度の彼の誘いに乗って、私にとっては7年ぶりとなるフローターバスフィッシングへ出かけた。

 前夜、7年ぶりに押入れの奥から引っ張り出したのは、ところどころに緑色の極小生物の生息痕が見とめられるフローターと、7年前から戦力増強などしたこともないタックル、ルアーなどなど・・・。携帯灰皿には7年前の煙草の吸殻が入ったままだったりする・・・。ともかく必要そうな物を適当にバッグに詰め込み、午前3時、いざ出陣である。 行きがけの車の中は平井堅の「LIFE is...」のエンドレス。思えばあの頃は、これが平井堅ではなく長渕剛だったわけで、時の流れを感じてしまう。先ごろの桜島ライブにも行っている私としては、もちろん長渕剛の人生賛歌を嫌いになったわけでもなく、ただ、平井堅が、おそらくは実体験を踏まえて心底から搾り出しているであろう、あの恋の歌、特に別れの歌の世界を好む歳になったというだけのことである。

7年の歳月を越えて・・・
7年の歳月を越えて・・・

 さて、目的の釣り場は福岡市に隣接する須惠町の某溜め池。10年ほど前のかすかな記憶をたどり、あの頃バスがいたのだから、今もいるに違いないという安直な考えである。 午前4時、周囲はまだ暗いので二人でオカっぱる。・・・・釣れない・・・・が、ここまでは予想していたこと。私にとっては、キャストの勘を取り戻すための予行演習にすぎない・・・・と言い聞かせる。30分もしないうちに、腹の虫が騒ぎ出したので、妻が夕食の余りで作ってくれた弁当を広げ、彼とともに食らう。ふだんは礼儀正しいはずの彼が「奥さんの手料理おいしいですね」の一言を言わないのは、たぶん、未知の野池に潜む50アップを自らが手にするであろうという過大な期待で頭がいっぱいだったからであろう。

愛妻弁当
愛妻弁当

  午前5時、彼が持参した文明の利器を使ってフローターをふくらませ、お互い何度も池へ転がり落ちそうになりながら入水。 おお〜!これこれ、この感じ!千葉県の野池で毎週のように浮かんでいた頃を思い出し、懐かしさとともに、釣る気!がドン!とこみ上げてくる。いつしかフックを「はり」、ロッドを「さお」と呼ぶようになってしまったロートルアングラーのテンションは、一気にレッドゾーンまで上がっていったのである。   クリアーレイクに浮かぶ二人を、朝焼けが迎えに来る。 彼のロッドが空気を切り裂く音と、私のジッポのこすれる音が、湖上を交互に渡る。 彼のロッドから放たれたルアーが、オーバーハングした木の枝の下を見事にすりぬけ、岸際を射抜いた。どうやらキャストの腕は上げたらしい。でも、岸を釣っている・・・・。

入水
緊張の入水式

  私も楽しんだ。 スピナーベイトに目の前で食ってきた35センチくらいのやつの影に驚き、フッキングに失敗したところで、忘れかけていた「ミスフィッシュ!」などという今となっては恥ずかしい言葉が思いがけず口をつく。 彼に聞こえていなければいいがと思いつつも、今日のパターンは。。。などと、忘れていた用語や即席の3D湖底図などが脳髄のあたりから噴出しはじめ、37歳の私は、ただの誇大妄想のバスフィッシャーマンに戻るのである。
  結局その池では、2時間の間に、おたがい数匹の小バスを釣り上げただけで、戦意喪失の彼が「(バカスカ釣れないと)おもしろくない」とつぶやき力なく岸へ向かったのを機に、引きあげることとなった。

往年のタックル
往年のタックル

 もちろん、“フローターで浮きウキな一日”を、これで終わりにするほど往生際のいい我々であるはずもなく、さっさと次の野池探索へ向かう。 「ここでやろうか」 と、決めるまで1時間を要してしまったが、次なる戦場も、なかなかに雰囲気のある野池である。 が、ここで大ハプニング発生。 林の中へ車を止め、トランクから荷物をおろしている時、彼も私もこれまでの人生で遭遇したこともないほどのヤブ蚊の大群に襲われ、“ほうほうのていで逃げ出す”という言葉ピッタリにフローターとタックルを担いで林道を転げ落ち、池に飛びこんだ。それでも追ってくるヤブ蚊の大群、湖上を逃げ惑う浮き輪に乗った二人の大人。みっともないったらありゃしないのである。

これで30cmくらい
これで30cmくらい

 やっとやつらの追跡の手を逃れ、「いやぁ死ぬかと思いましたね」という彼の声を背中に聞きながら、“いくらなんでもそれはおおげさすぎるだろう”という言葉を呑みこんで、さぁ、決戦の第2ラウンドである。 私が使ったのは、スライダーワームとパワーワームのスプリットショットリグ、そしてスピナーベイト。彼はどうやら、ジグスピナーを主体に、芋虫のような形のグラブのジグヘッドリグを使っているようだった。河口湖のパターンをそのままこの野池に当てはめようとした彼の敗北は、この時点で約束されていたと私には思える。

ジグスピナー
ジグスピナー

 私はこの池で12匹のバスを釣った。 彼は5匹のバスを釣った。 ずっとワームで釣っていれば、数は釣れたと彼は帰りの車中で語った。 「それでも、14−7はサッカーではあり得なく、野球でも稀にしか起こり得ないスコアだよ」 と、私は正真正銘のこの“釣れない君”に言いたかったが、惨敗を喫してもなお、自らが“釣れる君”だと信じているようである彼には、その言葉はあまりにも重そうで、私としては彼の言葉への返事の代わりに、ただ平井堅氏の「LIFE is...」を歌うしかないのであった。

LIFE is... (作詞・作曲:平井堅)

自分を強く見せたり〜♪
自分をうまく見せたり〜♪
どうして僕らはこんなに〜♪
息苦しい生きかた選ぶの〜♪

タンクトップの男
タンクトップの男

いずれにせよ、私のなかで昏睡状態におちいっていた釣りキチ三平が、7年ぶりに植物状態から脱したことは素直に喜びたい。これで月間およそ3万円ほどの支出増が約束されたようなものではあるが。 ・・・・・・・ドクドク

(N)

勝利!

オレはチビバスの下に潜む50オーバーを追いかけていたのだ!

奥様、お弁当ご馳走様でした。とてもおいしかったです。

(D.K)

手のりバス



ひとつ上のページへ戻る
トップページへ戻る

このページへのご意見・ご感想はこちらまで
lfp@landing.co.jp